早稲田大学大学院
2017 年 66 巻 9 号 p. 50-60
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円城塔の『Self-Reference ENGINE』は、無数の宇宙空間のなかで、かけがえのない「私」という造形を転覆させることを試みた物語である。この作品をひとつの視座とすることで、今日において多元宇宙の想像力が持つ思弁的な意義を考えてみる。それは、一種のオートポイエティックな生命モデルとして「私」と宇宙の相同関係を記述することで、複雑系科学の知見をもとに「私」語りの自己言及性をとらえなおすための思考の基盤を提供するものである。
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