日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
特集・「読み」の基底を問い直す
御肇国天皇と男女の調
――『日本書紀』の読みの基底を考える――
松田 浩
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2018 年 67 巻 1 号 p. 2-12

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抄録

『古事記』『日本書紀』の両書は崇神天皇を「〈ハツクニシラス〉天皇」の称辞を以て讃えている。両書の語る崇神天皇の事績は、いずれも大物主神を中心とする神祇祭祀の確立と諸国の平定、そして「男の弭の調・女の手末の調」と呼ばれる物納租税制度の成立の三要素によって構成されており、その要素自体は等しい。しかし、それらを語る記述には看過できない相違がある。本稿では、『日本書紀』の記述に焦点を当てつつ、その相違を成り立たせるものとしての『日本書紀』の外部を明らかにする。

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