東京大学大学院
2018 年 67 巻 9 号 p. 38-49
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「波千鳥」の研究は近年ようやく盛んになり、特に作中女性の手紙が重要性を説かれてきた。本稿は手紙の〈引用〉を、作中人物の応答的な関係性の直中に読み手を引き込む戦略と考え、その効果を再検討する。手紙を作中人物がどう読み解いたか明かされない読み手は、それを自らの読解をもとに想像しなければならない。そうして手紙が読み手に促す小説の言葉の再解釈は、前編「千羽鶴」のみならず川端文学全体の再評価へも繋がってゆく。
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