日本語教育
Online ISSN : 2424-2039
Print ISSN : 0389-4037
ISSN-L : 0389-4037
調査報告
日本語の会話におけるオノマトペの基本語彙選定
――『BTSによる多言語話し言葉コーパス』と『BTSJによる日本語話し言葉コーパス』を用いて――
獅々見 真由香
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 165 巻 p. 73-88

詳細
抄録

 本研究では,オノマトペの会話教材の提案を目標に,前段階として不可欠である,会話におけるオノマトペの基本語彙選定を行った。基本語彙の選定方法としては,出現頻度調査に加えて親密度調査を行い,両方のデータを統合させる手法を採った。出現頻度調査の結果,オノマトペの出現頻度に偏りがあったが,出現頻度データに親密度データを加味することで基本度の順位を決定することができた。親密度調査にあたっては,幅広い年代の新しいデータを収集するため,独自の調査を行い,成人458名(男性218名,女性240名)のデータを得た。その上で,主成分分析を行い,その得点により273語のオノマトペの基本度の順位を決定した。そのうち,主成分得点の低い21語を除外した252語を,本研究における基本語彙としてのオノマトペとした。

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本語教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top