日本語教育
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寄稿論文
外国人材受入れの課題と地域日本語教室の役割
―持続可能な地域づくりの観点から―
仙田 武司小菅 扶温
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2020 年 176 巻 p. 1-15

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抄録

 人口減少が進む地域社会においては,持続可能な地域づくりとその担い手の確保が大きな課題となっている。課題解決への取組として,経済活動の担い手としての外国人材の受入れは,既にかなり広がってきているが,これからは社会活動の担い手としても外国人材の活躍が期待されている。本稿では,外国人材が単なる労働力にとどまらず,持続可能な地域づくりの担い手として活躍できるようにすることを目指した事例として,共同執筆者の一人である小菅の取組を取り上げた。そこから,外国人材が地域から望まれる形で受け入れられるようにするには,「外国人材に対する地域社会からの信頼の醸成」,「外国人材のキャリア形成支援」,「外国人材と地域社会とのつながりの形成」という三つの課題を達成することが重要であるとの示唆が得られた。これを踏まえて地域日本語教室を改めて捉え直すと,これら三つの課題の達成につながる五つの機能を地域日本語教室は潜在的に有しており,持続可能な地域づくりおける重要な役割を果たすことができると考えられる。

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© 2020 公益社団法人 日本語教育学会
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