日本語の研究
Online ISSN : 2189-5732
Print ISSN : 1349-5119
特集1 国際的観点からの日本語研究
自然談話に見られる否定疑問文
──形式、使用数、相互作用における機能──
ポリー ザトラウスキー
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2023 年 19 巻 2 号 p. 70-88

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抄録

本研究は、田野村(1988)の「ではないか2」を自然談話の「P(述部)ない」「Pじゃん」「Pだろう」に研究対象を広げ、考察する。考察観点は1)研究対象はどのような形式と頻度で用いられるか、2)相互作用にはどのような機能があるかである。乳製品の試食会で観察された約400の「Pない?」は若い女性、若い男性、年上の女性、年上の男性の順で用いられた。若い女性は「A(形容詞)くない?」が多く、主張を表すこともあり、その後相手が「Pない?」を用いる例もあった。年上の女性は「Pない?」の後よく相づちで同意する。談話の展開と発話連鎖における位置により、問いかけ、主張、同意要求、前提条件、理由、話題提供、反論等の機能が見られた。

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© 2023 日本語学会
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