「わけだ」は「のだ」と同じくコトガラに対する話し手の認識的なモダリティを表す助動詞相当の複合辞である。動詞「わける」の連用形名詞「わけ」は室町時代から文献に現れるが、それが文末に使われ助動詞相当の機能をもつようになるのは江戸時代になってからである。事情や理由とその結果としての事態を並べて述べるa型と、事態の事情を述べるb型、コトガラを言い換えるc型の用法がある。a型とc型はb型をもとに文法化を経て派生したと考えられる。
『日本語歴史コーパス』を用いて江戸時代から明治時代への変化を辿る。また、江戸時代には会話文に用いられていた「わけ(だ)」が明治時代以降は文章語(書き言葉)にとりこまれていく様子が観察されることについても述べる。