日本語の研究
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小特集:「会話文」とは何か
「東海道中膝栗毛」における表記様式と位相・文脈機能との相互関係
半沢 幹一
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2025 年 21 巻 3 号 p. 45-61

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抄録

十返舎一九による滑稽本「東海道中膝栗毛」における表記様式・位相・文脈機能のそれぞれおよびこれらの相互関係について検証した結果、次の3点が明らかになった。

1)表記様式は4種類あり、分量的には、開きカギカッコに始まる並字1行書きが8割近くを占め、文章としては読み物であるが、セリフを中心とする演劇台本に倣ったものになっている。

2)文章の位相としては、会話文、地の文、狂歌の3種類があり、表記様式との関係は、会話文は開きカギカッコ+並字1行書き、地の文は並字1行書きだけでなく、普通はト書きと見られる小字2行割書きもそれに相当し、狂歌は改行2字下げ+並字1行書きが対応する。

3)各位相の表現の文章展開上の機能としては、並字1行書きによる地の文が場面切り換えの冒頭、狂歌がその末尾を示し、小字2行割書きの地の文は、場面の展開だけでなく、書き手による注釈なども表わし、会話文は、各場面に登場する多様な人物像とその出会いのありようを描写する。

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