抄録
観光乗数の5つのタイプは、アーチャー(1977)によると、売上高(または取引額)、産出、所得、雇用、投入・産出の各乗数である。筆者はこの小論で、最初に、オアクウェーの観光乗数(観光所得乗数、観光雇用乗数) 等(1983)を述べ、次に、オアクウェー乗数等をめぐる若千の論述を行い、さらに、アーチャー―小沢観光所得乗数理論(モデル1・2)を簡単に紹介し、最後に、アーチャー―小沢観光所得乗数モデルを参考にした、観光(所得)乗数理論に関する私の試論を考究する。
その際私は、モデル1に対しては、移入(輸入)を生産財と消費財に分割して考え、モデル2については、移 出(輸出)を宿泊部門と非宿泊部門に分け、投資関数も考慮して3タイプ(それぞれ3ケース)を示す。これらの点に特徴があるので、詳細な乗数になる。
アーチャー―小沢モデル2とそれに基づいて構築された私のモデルは、理論展開において、乗数理論および加速度原理の両者を根底にすえている。この研究を通して、私は、私の観光(所得)乗数モデルのメカニズムを論議できたと思う。ここで論述した私の観光(所得)乗数理論は、本学会第82回全国大会(2000年12月9日)にお いて「観光乗数に関する試論」のタイトルで発表した内容(2000)を推敲し発展させたものである。私は今後一層観光乗数を研究するつもりである。様々なスタイル、手法が存在することが望ましい。