抄録
航空産業やホテル産業など幅広い産業で、売上高あるいは収入の拡大を図るレベニュー・マネジメントが取り
入れられている。このレベニュー・マネジメントに関する研究は経営学分野を中心にして行われている。しかし
ながら、経済厚生に関する分析は価格差別の応用としてわずかに言及されるくらいで、ほとんど掘り下げられて
いない。そこで、本稿ではレベニュー・マネジメントについて経済学的視点から、経済厚生に焦点を当てて理論
的に分析を行う。その結果、独占的価格設定の場合と比べて、経済厚生が高まることを明らかにし、さらに、所
得分配の公正化も図られることが明らかにされた。