日本近代文学
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論文
明治十年代における小説の展開
――関直彦訳『春鶯囀』の位置――
飛田 英伸
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2019 年 100 巻 p. 1-14

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抄録

翻訳小説として最初の流行作となった織田純一郎訳『花柳春話』は、以後の翻訳小説の模範となった。『花柳春話』と同一の書肆から出版された関直彦訳『春鶯囀』も、その影響を受けたと考えられるが、文体のあり方には違いが見られる。本稿では、『花柳春話』を踏襲する翻訳小説の系譜と、関が記者を務めていた『東京日日新聞』における文のあり方を検討することによって、『春鶯囀』の文体のあり方がどのように画期的なものであり、それが何を背景として生じたのかについて明らかにするとともに、その翻訳が小説に何をもたらしたのかについて論じた。

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