新潟医療福祉学会誌
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総説・解説
DPC/PDPSにおける機能評価係数IIは病院経営へのインセンティブとなっているか
柴山 純一
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2021 年 21 巻 2 号 p. 2-8

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抄録

DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System)における機能評価係数IIは、「DPC/PDPS参加による医療提供体制全体としての効率改善等へのインセンティブを評価したものである」とされている。本報告では、この機能評価係数IIが経営におけるインセンティブとなっているか、2019年度DPC対象病院であり、かつ、同一形式で損益計算書が公開されている公営企業病院を対象として検討した。分析方法は100床あたり医業収益、医業費用、医業収支差額、経常収支差額を目的変数、機能評価係数IIの内訳を説明変数とした重回帰分析を用いた。

その結果、機能評価係数IIは、全体としては医業収益、医業費用共に有意にプラスに影響していたが、傾きの差からは十分なインセンティブには至っていないことが分かった。また、係数別には、カバー率係数は医業収支差額、経常収支差額の双方に、定量評価係数(小児以外)は医業収支差額に、複雑性係数、定量評価係数(小児)は経常収支差額にプラスに影響しているが、保険診療係数は有意な収支差額への影響を意味する係数とはなっていなかった。さらに、効率性係数にみられる在院日数短縮の努力が、現状の経営実態に対してはマイナスに影響しており、経営には結びついていない状況にあることが分かった。原価計算を行うこと等により費用も考慮したより適正な係数として検討することが、導入の目的である効率改善等へのインセンティブにつながるものと考える。

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