新潟医療福祉学会誌
Online ISSN : 2435-9777
Print ISSN : 1346-8774
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病理・細胞診断業務における気付きノートによるリスク管理は、医療安全管理につながる
古谷津 純一長濱 大輔池上 喜久夫熊谷 順子藤井 豊久保野 勝男
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2021 年 21 巻 2 号 p. 85-91

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抄録

病理検査室の業務は、他部門の臨床検査に比較してヒューマンエラーが生じやすい。当院では医療安全管理(medical safety management)の一環として、「気づきノート」を活用している。ノートの情報管理は臨床検査情報システム(Laboratory Information System:LIS)内の病理検査システムで運用されている。これまでに、インシデントリポートの重要性や品質管理システムの重要性についての報告はあるが、気づきノートを利用した医療安全管理についての研究報告はない。

対象は、2015年9月から2019年8月までに気づきノートに報告された527件である。これらの事象を30種類のカテゴリーに分類し、一連の検査工程を検査前・中・後の3つに分類した。最も多く報告されたカテゴリーは、病理番号管理の53件(10.1%)で、検査中プロセスで報告されたカテゴリーは20種類、287件と最も多く、次は検査前の18種類、166件であった。また、報告数の年次推移件数には負の相関関係があった。

病理検査室の医療安全管理に記録は不可欠で、構成員は業務中に実感した種々のリスクや違和感を「気づきノート」に記録し、この事象を共有する。これらの記録から連携した是正を図り、大きなトラブルに発展することを防ぐのである。このノートは、病理検査室における医療安全管理に有用なツールであると評価した。

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