日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
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一般論文
オホーツク海沿岸地域における酸性沈着
三谷 雅肆, 横平 弘, 野口 泉
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2000 年 2000 巻 5 号 p. 347-356

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抄録
季節風の影響を直接受けることが少なく,また大都市圏からも遠く離れた北海道オホーツク海沿岸地域において,1994年より約3年間にわたり,降水のpH,電気伝導率,各種イオン種濃度,およびその沈着量を観測した。
各種イオン種の濃度は比較的低い値を示し,沈着量は全国平均値の30-40%にすぎなかった。年間を通じてpHは4.7-5.7で推移したが,入力酸性度の指標pAiは4.3前後と比較的安定であった。その結果,分率酸性度は春期の約0.05から8-9月の0.4の値まで変動し,大気の酸性化に対するアンモニアガスやアルカリダストの中和効果が考えられた。また,NO3-/nss-SO42-のモル濃度の比は年間を通じて0.6-1.0にあった。
沈着成分の起源やそれらの大気中での存在形態のほか,気象条件などを考慮しながら,各種イオン種の月間沈着量と降水量との関係を検討した結果,それぞれに特徴的な沈着特性が認められた。nss-SO42-, NO3-,およびNH4+の沈着は降水量とともに増加し,月間降水量が120mm以下では,沈着量は降水量に比例する傾向を示した。海塩由来イオン種やnss-Ca2+の沈着量ではそのような関係は認められなかったが,これらについても気象条件に関係した特徴的な沈着特性が認められた。特に海塩由来イオン種の沈着については,域内の風の影響が重要であると考えられた。
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© 2000 The Chemical Society of Japan
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