日本化学会誌(化学と工業化学)
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一般論文
Chamigrane誘導体の酸による変換反応
鎌田 昇木村 純二
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2000 年 2000 巻 8 号 p. 571-575

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抄録

紅藻Laurencia属にはbisabolane,chamigrane,およびlauraneなどの特異な構造のポリハロセスキテルペノイドが豊富に含まれており,それらの中には生理活性を有するものが多い。Laurencia nidificaから単離されたchamigrane誘導体のprepacifenol(1)やprepacifenol epoxide(2)は容易に三環性化合物のpacifenol(3)およびjohnstonol(4)に変換され,4はさらにpacifenediol(5)に変換することが知られている。このような変換反応機構解明のために,2を5% TFA-CCl4溶液で処理したところ,2種の既知物(4,5)のほかに新しい化合物が3種類(7,8,9)得られた。同様の条件下で化合物4を反応させたところ,さきに報告した三環性化合物1,6-dibromo-5-chloro-11-hydroxy-5,9,12,12-tetramethyl-2-oxatricyclo[6.3.1.03,8]dodecan-10-one(6)とともに,5,7,9,および5のTFAエステル(10)が得られた。同様に,化合物5の変換反応では10のみが得られた。そこで,これらの生成物の構造解析ならびに変換反応の機構を検討した。

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© 2000 The Chemical Society of Japan
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