日本化学会誌(化学と工業化学)
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一般論文
MFI型メタロシリケート担持Cu触媒を用いたNH3酸化分解反応
野島 繁飯田 耕三小林 敬古
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2001 年 2001 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

MFI型メタロシリケート担持Cu触媒を用いてNH3の酸化分解に関する検討を行った.本触媒は模擬排ガス中のNH3を反応温度250–400 °Cにおいて選択的にN2へ転換することができる.本触媒を用いたNH3酸化分解反応は触媒の酸量とりわけ強酸量が多いほど,さらにCu担持量が多いほど低温のNH3酸化分解活性およびN2選択性に優れている.このことから,本触媒の活性点はメタロシリケート担体の強い酸性点に配位したCuであることが示唆された.本触媒上におけるNH3酸化分解反応機構をNH3吸着昇温脱離法,NH3–O2パルス反応法および赤外吸収スペクトル法により調べた.まずNH3が触媒上に吸着し,NH4+を形成する.次にO2が配位して酸化脱水反応によりN2結合種の中間体を形成し,さらにO2配位による中間体の酸化脱水反応によりN2が生成することが推定された.

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© 2001 The Chemical Society of Japan
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