日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
一般論文
MFI型メタロシリケート担持Ir触媒によるリーンバーンガソリンエンジン排ガスのNOx選択還元反応
野島 繁飯田 耕三小林 敬古
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 2001 巻 1 号 p. 27-35

詳細
抄録
リーンバーンガソリンエンジン排ガス用脱硝触媒として,10%H2O–N2雰囲気,700 °Cで活性化処理を行ったメタロシリケート担持Ir触媒(以下,本触媒を活性化担持Ir触媒と記す)を調製し,その触媒活性を評価した.活性化担持Ir触媒の作動温度広域化と未燃炭化水素の排出抑制を目的に,活性化担持Ir触媒を前段に,Pt–Rh/Al2O3触媒(三元触媒)を後段に設置した二段触媒の活性評価を行った.本二段触媒はリーン雰囲気において250–500 °Cの広範囲温度にて脱硝活性を示し,さらに,300 °C以上にて未燃炭化水素をほとんど除去できた.二段触媒は燃料希薄雰囲気(以下,「リーン雰囲気」と記す)および化学量論雰囲気ともに高い定常脱硝活性が得られ,さらにリーン雰囲気から化学量論雰囲気へ過渡変化する際においても優れた脱硝活性を示した.活性化担持Ir触媒はリーンバーンガソリンエンジン実排ガスにおいて400 °Cで最大70%の脱硝率を示した.また,活性化担持Ir触媒は実エンジン排ガスを用いた660 °Cリーン雰囲気ガスおよび800 °C燃料過剰雰囲気(以下,「リッチ雰囲気」と記す)ガスの過酷な条件にさらしても,十分な耐久性を示すことがわかった.
著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 2001 The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top