日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
一般論文
コアにハロゲン化銀を含む二層構造の球状シリカ粒子
岡林 南洋Zhi-Ping BAI加藤 寛岡崎 茂輝服部 愛子仙頭 友也
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2001 年 2001 巻 5 号 p. 299-306

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抄録
ハロゲン化銀の前駆物質として,銀錯体bis[3-(2-aminoethyl)aminopropyl(trimethoxy)silane]silver(I)nitrateとトリアルコキシハロアルキルシランとを用い,コアにハロゲン化銀の微結晶が分散した二層構造のシリカ粒子を合成した.オルトケイ酸エチルの部分加水分解物にハロゲン化銀前駆物質を混合して共重合体を調製,これをアンモニア水–メタノール混合液に滴下して,コア粒子を合成した.続いて,この混合液にオルトケイ酸エチルを滴下することによりコア粒子をシリカで被覆し,コアとシェルの二層構造のシリカ粒子を得た.ハロゲン化銀の前駆物質として銀錯体と塩素化合物を用いた場合には,塩化銀が析出したが,臭素化合物,または,塩素化合物と臭素化合物の混合物を用いた場合には,臭化銀のみが生成した.X線回折測定により,700 °Cで加熱した粒子でも,塩化銀や臭化銀の結晶が検出された.走査型電子顕微鏡観察により,粒子は粒子系分布が狭く形状は球状であり,平均粒子径は約0.2 μmであることがわかった.
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© 2001 The Chemical Society of Japan
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