抄録
硝酸亜鉛を出発物質とし種々の添加剤を加えた水溶液およびエタノール溶液よりゾル-ゲル法とディップ · コーティング法を併用してZnO薄膜を作製した.焼成時の結晶析出とその成長過程を調べるためにゲルに対して熱質量測定および示差熱分析を行った.水溶液とエタノール溶液より作製した薄膜に対して結晶性の評価,透過率の測定および微細構造の観察をそれぞれ可視光分光光度計,粉末X線回折装置,原子間力顕微鏡を用いて行った.水溶液からの薄膜ではエタノール溶液から結晶性のZnO薄膜を形成させるときよりも高い焼成温度を必要とした.また,エタノール溶液より作製した薄膜は顕著なc軸配向性を示した.