抄録
平均粒径約25 μmの球状フェノール樹脂粒子を高周波熱プラズマ中に供給して,加熱 · 分解することにより炭素粉末を合成した.熱プラズマ処理により得られた炭素粉末粒子は,多孔質で,表面が黒鉛化され内部は非晶質構造を示す傾斜構造を持つ粒子で,通常の低温熱処理あるいは高温黒鉛化では得られないものであった.このプラズマ合成炭素粉末をリチウム二次電池の負極材として用いるときの,リチウムイオンの挿入脱離反応を検討した結果,傾斜構造を裏付ける挙動,すなわち黒鉛化を示す挙動と非晶質構造に由来する挙動が確認できた.