工業化学雑誌
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マグネシア質過リン酸石灰の研究
永井 彰一郎藤谷 淳一色川 喜理
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1958 年 61 巻 8 号 p. 940-942

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抄録

蛇紋岩,橄欖岩,ドロマイト,水マグなどを過リン酸石灰に加えた種々のマグネシア質過リン酸石灰について,貯蔵中の有効成分の変化,とくに水溶性リン酸の減少およびク溶マグネシアの増加の比較実験を行い,その反応性についての検討を行った。
マグネシアの反応性は水マグが最もよく, ついで蛇紋岩, ドロマイト, 橄欖岩の順であるが, 一方, 水溶性リン酸の残存率はこれとは逆の順序で,橄欖岩では12週貯蔵後も水溶性リン酸を9~14%にくいとめることが出来た。またドロマイトの場合はそのマグネシア含有量が21%程度で少ないため,更に高度の過リン酸石灰の使用,またはリン酸液の添加を行い,同時にドロマイト配合量を増加する必要がある。ついで密封貯蔵および開放貯蔵の両者を比較した結果,開放貯蔵では貯蔵中に水分が4.5~5.0%も揮散するために反応性が悪くなり,水分の存在がマグネシア化に必須の条件であることを確かめえた。

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