トリブチルホウ素(BBu
3)と金属ハロゲン化物との混合触媒によるブタジエンの重合をしらべた。金属ハロゲン化物としては, 四塩化チタン, 四塩化ジルコニウム, 四塩化スズ, 塩化アルミニウム, 五塩化アンチモン, 塩化ニッケル( 水和物) , 塩化パラジウム, 塩化第二水銀および三フッ化ホウ素( エーテル錯合体) を用いた。BF
3・Et
2Oの場合, 高収率で重合体がえられるが, BF
3・Et
2O/BBu
3 の比により, 生成物は液状から弾性ある固体まで変化する。TiCl
4の場合, 粘稠な液状ポリマーが少量生成するが, ZrCl
4 の場合は固体ポリマーが好収率でえられた。他の場合は重合体はほとんどえられなかった。
次にB R
3(R=エチルまたはブチル) とBF
3・Et
2 O および前者とZrCl
4との混合触媒によるビニルモノマーの重合をしらべた。BF
3・Et
2Oの添加により, メタクリル酸メチルの重合はその速度および生成ポリマーの重合度が減少し, アクリロニトリルにおいては重合速度は大となるが,生成ポリマーの重合度は減少する。スチレンの重合は著しく加速されるが,ポリマーの重合度は低下する。ブチルビニルエーテルは円滑に重合する。アクロレインはBF
3・Et
2Oの添加によって重合するようになり可溶性ポリマーを与える。酢酸ビニルはこの触媒系では重合しない。ZrCl
4 を加えた場合スチレンおよびビニルエーテルの重合が加速されるが,他のモノマーの重合はおそくなる。
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