抄録
硫化亜鉛螢光体の焼成における場合のように,ZnSが不十分なO2の供給の下で,かつ生成気体の脱出困難な状態にあって加熱される時の反応の過程を明らかにした。
すなわち,一般に純粋なZnSは約530℃(この温度は試料の状態等により相違する)より徐々に,また約620℃ より急激に下記反応にしたがってZ n O とS O 2 とになるが, SO2 およびO 2 の流通困難な状態ではそれぞれの発生と同時に反応は更に進んでZnSO4を生成する。
2ZnS+3O2=2ZnO+2SO2
2ZnO+2SO2+O2=2ZnSO4このZnSO4は約750℃で再びZnOとSO3とに分解する。