1958 年 61 巻 8 号 p. 966-969
メモリー素子として使用できるような薄板状の大型チタン酸バリウム単結晶の製法としてはフッ化カリウム融剤法が最もすぐれているが,薄板状に広く延びるため結晶核が多すぎると相互にぶつかり合い完全な形の大形単結晶はえられないので,核の数を適当にコントロールする必要がある。チタン酸バリウム原料として炭酸バリウムと酸化チタンの当モル混合物を〓焼して反応させた粉末を使用する場合には,溶融時間を長くするほど,〓焼粉末中の微粉末の量を多くするほど結晶核の数は少なくなる。また結晶り半導体化を防ぐために加える酸化第二鉄をチタン酸バリウム原料中に均一に含有させず,必要量以上に含ませた原料と,含有しない原料とを混合して使用したほうが結晶核の数は少なくなるこどがわかった。これらの方法を組合わせて,使用するルツボに対してちょうど適するぐらいの核の数になるようにすることにより,一辺3cmぐらいの単結晶がえられた。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。