工業化学雑誌
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粒子懸濁液の吸光度測定による石炭粒子の吸収スペクトル測定法とその理論
藤井 修冶
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1959 年 62 巻 7 号 p. 1006-1008

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抄録

石炭の懸濁粒子の吸光係数を測定する理論ならびに方法を案出し,これを実験的に検討した。本法によれば,直接懸濁粒子の大きさを測定することなく,単に懸濁液の真の吸光度を,二つの波長において測定することにより,石炭粒子の真の吸光係数を精密に測定し得る。すなわち,理論的に,種々の粒度の懸濁液について,λ1なる波長における吸光度{log(I0/I)}λ1と,λ2なる波長における吸光度{log(I0/I)}λ2とは直線関係にあり,懸濁粒子の半径に無関係なこの直線式の係数より,λ1における真の吸光係数ελ1を求め得ることが明らかとなった。上記方法を2 種の石炭について適用した実験結果によれば,明瞭な直線関係が得られ,この直線の式より真の吸光係数を求めることができた。λ2として種々の波長を選んで,本法によって求めた真の吸光係数の値が相互にかなり一致することにより本法の妥当なことを証明し得た。

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