工業化学雑誌
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ブナパルプ中のヘミセルロース
松崎 啓守屋 正夫秋月 和雄祖父江 寛
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1959 年 62 巻 7 号 p. 1030-1034

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抄録

ブナパルプ中のマンノース基を含む成分がグルコマンナンであることをたしかめ,その組成を明らかにしようと試みた。またブナパルプ中のキシランを主成分とするヘミセルロースの種々の性状を明らかにしようとした。
ブナパルプ中の銅アンモニア液不溶部分は,針葉樹パルプの場合と異なり,マンノース基をほとんど含まず,セルロースやキシランである。ブナパルプのアルカリ抽出液をフェーリング液で分別沈殿し,グルコマンナン約75%を含むフラクションを得た。これをさらに穏かな加水分解にかけて,グルコマンナン含量90%のフラクションを得たが,針葉樹グルコマンナンのような尖鋭な結晶性X 線図を示さなかった。そのマンノース基/ グルコース基は2 . 4 であった。他のキシランを主成分とするフラクションの結晶性X線図および組成を,木粉より抽出したキシランよりつくった皮膜のX線図および組成と比較した。またクロマトグラフ法によって測定したウロン酸基量を,炭酸ガス量から測定した無水ウロン酸量と比較した。

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