工業化学雑誌
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1回法および2回法分別沈殿による重合度分布の比較
竹原 茂夫
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1959 年 62 巻 7 号 p. 1046-1048

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抄録

1回法および2回法分別沈殿による重合度分布の比較より,Scottの理論が大体妥当で,低重合度部分の山でも近接する重合度部分の混合物である。しかし,その不均一度がほとんど0,すなわち重量および数平均重合度が大体等しいから,その山の実在の可能性は大きい。
硝化法のKm定数を11×10-4とするかぎり重合度分布より算出した数平均重合度は末端基法重合度より極く僅か小さいが大体等しい値を与える。したがって,硝化法重合度は40以下の極端な低重合度に対しても正しい値を示す。銅安法重合度は末端基がカルボニル基かカルボキシル基かにかかわらず,銅イオンが架橋結合して過大な値を与えると推察される。銅安法重合度は人絹や超強力人絹等のいわゆる結晶領域や高度に解重合した試料には適当でない。

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