工業化学雑誌
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炭酸ガスと水素の高圧反応- メタノールの合成
久米 泰三阿部 哲谷岡 勝彦
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1959 年 62 巻 7 号 p. 939-941

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抄録

本研究は, 炭酸ガスと水素の高圧反応により, 炭水化物等直接合成の条件を究めんとするものである。しかし, これに関連するアルコール合成についても,その反応機構はまだ明らかではないので,メタノール合成について,銅-亜鉛,銅-クロム系触媒等によって,これを追試して見た。実験は断続法によって行った。その結果,初期反応は炭酸ガスの吸着解離を律速段階とする1 次反応であることが明らかとなった。後続反応には, 特に, 炭酸ガスの分圧, すなわち, 反応ガスの混合比の影響が大で,nH2/nCO2≅5を境として,その増減に応じて次第に反応の様相が異なるようである。メタノールの生成量とモル比の関係が明らかとなり,モル比約4付近で最高である。

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