工業化学雑誌
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二酸化マンガンの析出における電解条件
村木 一郎
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1960 年 63 巻 12 号 p. 2089-2093

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抄録

乾電池用高品位電解二酸化マンガンの製造を左右する要因について, 電解液を流しながら連続的に電解する装置を用いて研究した。電流効率は温度が高くなるほど,また,電流密度が小さいほど高率になる。電流密度と電流効率の関係はMnSO4-H3SO4系電解液の組成によって関係曲線が異なる。H2SO4を添加しないMnSO4溶液のみの場合はその濃度の電流効率におよぼす影響は無視し得るほど小さい。H2SO4 濃度についてはH2SO4/MnSOのモル比0.2付近で電流効率が最大になる。
電解液の比電導度はH2SO4濃度の増大とともに大になり,その温度係数もまた大きい。H2SO4を添加しないMnSO4溶液のみの電解において, 浴電圧の高い理由はこの電解液の比電導度が小さいことに起因するもので, エネルギー効率を低下せしめる一つの因子となる。

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