工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
過塩素化フェノールとそのアルコール類, メルカプタン類との反応
隈元 実忠
著者情報
ジャーナル フリー

1960 年 63 巻 12 号 p. 2168-2170

詳細
抄録

ヘキサクロルーフェノール異性体[2,2,3,4,5,6-ヘキサクロル-3,5-シクロヘキサジエノン-1(A)と2,3,4,4,5,6-ヘキサクロル-2,5-シクロヘキサジエノン-1(B)]およびオクタクロル-シクロヘキセノン異性体[(C1),(C2)]とアルコール類との反応は,o-キノイド型の(A)とは容易に反応するが,(B)および(C1),(C2)とは封管中で熱しても反応しない。(A)はメタノール,エタノールとは常温でゆるやかに反応する。しかし,テトラクロル-1,3,5-キシレノール(o-キノイド型)との反応のようにカルボニル基に対してp-位置にアセタール結合は生成されず,3-シクロヘキセノン-1の環構造をもち,アルコキシ基2個が付加したと考えられるC6Cl6O-(OR)2型の化合物を生成した。さらに,その反応機構を推論した。また,(A)(B)とメルカプタン類との反応は既報と全く同じ形式の反応がおこることを確かめた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top