1960 年 63 巻 12 号 p. 2171-2173
希硫酸の存在下,チオシアン酸ナトリウムとホルマリンでチオフェンのチオシアノメチル化を行ない,その反応生成物(I)を得た。収率約20%。(I)はIR-,およびNMRスペクトルによって2-テニルチオシアネート(IA)と2-テニルイソチオシアネート(IB)の混合物であることがわかった。(IA)は加熱によって容易に(IB)に転位する。3-テニルチオシアネート(IIA),および2,5-ビスチオシアノメチルチオフェンを対応するハロメチル化合物とチオシアン酸塩から作成した。(IIA)は(IA)より安定であるが,3-テニルブロミドとチオシアン酸塩の反応の生成物(II)にも少量のイソチオシアネ-トが含まれる。また(I),(II)の二,三の反応から得られるものについて検討した。
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