1960 年 63 巻 12 号 p. 2174-2177
三硫化モリブデンを触媒として,ボルネオールおよびイソボルネオールの接触還元を行ない,おのおのが脱水を起す反応温度およびその温度において脱水されて生成したカンフェンの還元について検討した。水素圧96.8atmのもとで180分間,還元実験した結果はボルネオールの場合は180℃より脱水反応が徐々に起こり,240℃で大部分脱水された。これに対してイソボルネオールは140℃で完全に脱水され,100℃でもいくらか脱水された。またボルネオールを200℃ないし240℃で還元した場合の反応生成物にはイソカンファンが認められたが,イソボルネオールを100℃ないし140℃で還元した場合の反応生成物にはこれは認められず,主成物はカンフェンであった。カンフェンおよびイソカンファンの生成比はガスクロマトグラムの面積比より求めた。
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