工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
三硫化モリブデン触媒によるボルネオール,イソボルネオールの接触還元
菊池 光子
著者情報
ジャーナル フリー

1960 年 63 巻 12 号 p. 2174-2177

詳細
抄録

三硫化モリブデンを触媒として,ボルネオールおよびイソボルネオールの接触還元を行ない,おのおのが脱水を起す反応温度およびその温度において脱水されて生成したカンフェンの還元について検討した。水素圧96.8atmのもとで180分間,還元実験した結果はボルネオールの場合は180℃より脱水反応が徐々に起こり,240℃で大部分脱水された。これに対してイソボルネオールは140℃で完全に脱水され,100℃でもいくらか脱水された。またボルネオールを200℃ないし240℃で還元した場合の反応生成物にはイソカンファンが認められたが,イソボルネオールを100℃ないし140℃で還元した場合の反応生成物にはこれは認められず,主成物はカンフェンであった。カンフェンおよびイソカンファンの生成比はガスクロマトグラムの面積比より求めた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top