1960 年 63 巻 12 号 p. 2177-2180
活性水素化合物に対するエチレンオキシドの逐次付加速度を求める研究の一環として,酸性物質であるフェノールを研究の対象とした。まずフェノールの場合,フェノール対エチレンオキシド5:1のモル比で,触媒をC6H5ONaとC6H5OKの両場合につき,45,55,65および75℃にてエチレンオキシドの減少量を追跡し,次の速度式が妥当することを認め,v=k[フェノール][エチレンオキシド][触媒]それぞれの場合の速度定数,活性化エネルギーなどを求あた。次にフェノールのエチレンオキシド1モル付加体につき,同じぐエチレンオキシドを1/5のモル比で加え,触媒はC6H5ONaとC6H5OCH2CH2ONaの両場合につき,45,55,65および75℃にて3次の速度定数を得た。これらの結果から著者の既発表の反応機構を再確認し,著者らの用いた反応条件においては在来の通説が妥当しないことを明らかにした。
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