63 巻 (1960) 9 号 p. 1663-1667
クレゾール異性体の分離については種々の方法が研究されているが,本報はクレゾール異性体の中m-クレゾールのホルマリンに対する大きな反応性を利用して,塩酸触媒下に反応を行ない,塗料,あるいは樹脂原料としてのm-クレゾールホルムアルデヒド樹脂(以下MCFと略記)を生成させ,一方,未反応分として,p-クレゾール分を分取することを目的として行なった。実験は初めに,個々のクレゾールについてホルマリンとの反応性を調べ,これらの結果より触媒量を決定し,次にm-,p-クレゾール混合液(m-分50%)について,反応時間,ホルマリン量の影響を検討した。その結果,試料,ホルマリン量はそれぞれ0.1mol触媒には1Nの塩酸0.25cc(0.00025mol),反応温度90℃,反応時間は10分,未反応分の抽出溶剤には二硫化炭素を用い,低品位クレゾールより高品位のMCFを生成させ(未反応分としてはm-分3%を含むp-クレゾール分を分取し得),ほぼm-,p-クレゾールを分離し得ることを認めた。組成の決定には赤外定量分析によった。