日本調理科学会誌
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「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」聞き書き調査による兵庫県の郷土料理の特徴と学校給食における伝承のための取り組み
作田 はるみ坂本 薫片寄 眞木子田中 紀子富永 しのぶ中谷 梢原 知子本多 佐知子
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2024 年 57 巻 2 号 p. 113-125

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抄録

 兵庫県の地形は山地,盆地,平野,沿岸,島と多様であり,「日本の縮図」といわれている。また,歴史的には,兵庫県は旧5国(摂津,丹波,播磨,但馬,淡路)から成り立っている。そのため兵庫県の食文化は,日本海・瀬戸内海の海産物と山や里の豊富な食材を生かしてさまざまに形成されており,これらの多様で豊かな食文化を継承することは重要である。そこで,伝統的な家庭料理や郷土料理の伝承方法の一つとして学校給食に着眼し,地域の産物を使用した家庭料理や郷土料理が学校給食の献立にどのように取り入れられているかについて調べた。その結果,学校給食で提供するための工夫や児童生徒の嗜好に合わせるための改変を加えながら郷土料理が提供されていることがわかった。学校給食に郷土料理を取り入れるための課題は,価格が高くなることであったが,郷土料理の提供は,食文化を伝えるよい機会,地産地消を推進するよい機会となっていると考えられた。

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