塩化第二鉄,グリニャール試薬,および水素の反応で,鉄水素化物を黒色油状物として分離した。反応条件を変化させたときの水素吸収の状況,および生成物の酸分解時の水素発生量から,水素化鉄合成反応の化学量論を検討し,生成物がMg(FeH4)2であると推定した。
また,鉄水素化物は,ベンズアルデヒドをべンジルアルコールに還元し,スチレンの水素添加を接触的に促進することを明らかにした。同様の条件で合成した重金属水素化物のスチレン水素添加触媒作用は,Fe,Ni>Cr>V>Tiの順であることを認めた。
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