工業化学雑誌
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アシルアミドマロンアミドの液安-カセイアルカリ法アルキル化によるα-アミノ酸の合成
下光 太郎若松 茂
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1961 年 64 巻 2 号 p. 299-303

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抄録

アセトアミドマロン酸エチルおよびベンズアミドマロン酸エチルを,液安溶液中塩化アンモニウムを触媒として加アンモニア分解し,得られるアセトアミドマロンアミドおよびベンズアミドマロンアミドを,液安溶液中アルカリアミドあるいはカセイアルカリでメタル化後,ひきつづきハロゲンアルキルと反応させて,C-アルキル誘導体の合成を行なった。
メタル化反応は,カセイアルカリ(市販粒状品)を使用しても容易に進み,特にソジオアセトアミドマロンアミドは液安に易溶であって,すみやかにカセイアルカリが消費されて透明な液安溶液となった。メタル化合物とハロゲンアルキルとの反応では,第1級ハライドからは相当するC-アルキルアシルアミドマロンアミドが得られたが,第2級ハライドの場合および塩酸クロルメチルイミダゾールを使用する場合には,反応が進まず原料のアミドが回収された。
アルキルアシルアミドマロンアミドを臭化本素酸溶液中で還流加熱し,直接相当するα-アミノ酸を得た。
本研究中に合成した,アシルアミドマロンアミドおよびそのC-アルキル誘導体は,いずれも文献に記載のない新アミドである。

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