工業化学雑誌
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エポキシ樹脂のアミン硬化剤による硬化反応(ゲル化点について)
加倉井 敏夫野口 達弥
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1961 年 64 巻 2 号 p. 398-404

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抄録

エポキシ樹脂のアミン硬化反応におけるゲル化点の理論的考察を行なった。まず,第1アミンおよび生成第2アミンとエポキシ基との反応速度定数の関係を求め,フェニルグリシジルエーテルおよびエポン828とn-ブチルアミンおよびエチレンジアミンとの反応例と比較して,第1アミンの反応速度定数k1(最初にエポキシ基と反応した水素原子の反応速度定数)と生成第2アミンの反応速度定数k2(残りの水素原子の反応速度定数)との間にk2/k1≒0.5なる関係を得た。この結果を用いて別に理論的に求めたゲル化時における反応量比,反応率との関係から,種々の反応量比の場合のゲル化点におけるエポキシ基反応率,第1アミン反応率,第3アミン生成率を求め,エチレンジアミンのような4官能性アミンでは反応当量の場合,それぞれ,0.58,0.82,0.33となり,実験とも大体一致する結果を得た。かくして得た反応率と反応速度式とから求めた相対的なゲル化時間と反応量との関係も,実際のゲル化反応とよく一致した。

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