1961 年 64 巻 2 号 p. 412-415
合成樹脂ラテックスの化学的安定性に及ぼす陰イオン活性剤および非イオン活性剤の影響を検討した。試料には脂肪酸セッケンを乳化剤とし播種重合で合成した単分散性のポリスチレンラテックスを用い,化学的安定性の判定はポリマー濃度1.0g/lに希釈した試料に塩化カルシウムを加え遠心分離してから濁度を測定する方法によって行なった。その結果,陰イオン活性剤は安定化効果がないが,非イオン活性剤は著しく向上効果を示し,なかでもHLBの大きい非イオン活性剤ほど化学的安定性を増大した。また乳化剤に陰イオン活性剤と非イオン活性剤を併用して合成したラテックスの化学的安定性は,同一量の陰イオン活性剤単独で合成したものに非イオン活性剤を後から添加した場合とほとんど差が認められなかった。
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