工業化学雑誌
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ガスクロマトグラフ用水素炎イオン化ディテクターの試作研究
春木 達郎板屋 宗明
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1961 年 64 巻 5 号 p. 820-825

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抄録

水素炎イオン化ディテクターを試作し, その感度および安定度に影響を与える要因を検討した。その結果, これまでの報告では,あまり影響を与えるものでないといわれていたものの中にも,高感度で使用する場合には無視できないもあがあり,かなりの精度で制御を必要とするものがあった。また全然知られていない新しい要因を見つけ出すことができた。結果は次のとおりである。
1)ノズルの径は細くなるにしたがい高感度になる。
2)空気よりも酸素を用いる方が感度は高い。
3)キャリアーガス流量をかえても条件によってピーク面積はかわらない。
4)従来のS感度はこの形式のディテクターには使えない。
5)燃焼槽温度が感度に関係する。
6)キャリアーガスと水素ガスとの最適流量関係の式を提案した。なお,印刷包装紙中の残存溶剤検出,飲酒者の呼気からのアルコールの検出等二,三のクロマトグラムを得た。

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