1961 年 64 巻 5 号 p. 845-849
ポーラログラフを用いてマンガンイオン(Mn2+)を種々の鎖長の重合リン酸ナトリウム水溶液で電流滴定を行ない,得られた電流滴定曲線によって鎖長の違いによるマンガンイオン封鎖能を測定することが出来た。
同時に別の実験で,硬水軟化力測定法であるセッケン法をマンガンイオンに対して適用,ならびにマンガンイオン比色分析法であるホルムアルドキシム法を用いて同様の実験を行ない,この三つの方法による結果を比較したところ,電流滴定法ははるかによい再現性をもって正確に測定できることがわかった。
実験に供した重合リン酸ナトリウみの平均鎖長は,それぞれ2,3,7,13,69で鎖長が長くなるにしたがってマンガンイオン封鎖能が減少する事実が認められた。
重合リン酸ナトリウム水溶液によるマンガンイオンの電流滴定の支持塩として塩化カリウム, 酢酸- 酢酸ナトリウム緩衝液,テトラエチルアンモニウムブロミドの使用を試みたが,この中でテトラエチルアンモニウムブロミドのみが明確な終点を与えた。
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