工業化学雑誌
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リグニン高圧水素添加分解生成油中の酸性成分
鹿島 寛田畑 晴朗渡部 浩
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1961 年 64 巻 5 号 p. 919-921

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抄録

既報では亜硫酸パルプ廃液よりつくった試料を高圧水素添加分解する研究を行ない,分解生成物特に中性油についてその組成を明らかにした。
本報では分解生成物中の酸性油の組成について研究し,その低沸点油(bp185~230℃)はp-クレゾール,o-クレゾール,4-エチルフェノール,4-(n-プロピル)フェノールよりなり,高沸点油(bp230~260℃)にはカテコールが存在することを明らかにした。更に低沸点油についてペーパークロマトグラフィーによる研究を行なった。著者らの研究したリグニン高圧水素添加分解方式では,生成物特に酸性油はメトキシル基のないフェノール類よりなり,またm-位に置換基を有する化合物を含まないことが特徴である。

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