1962 年 65 巻 10 号 p. 1679-1682
芳香族炭化水素とホルムアルデヒドの反応樹脂については,メタキシレン・ホルムアルデヒド樹脂,ナフタレン・ホルムアルデヒド樹脂等,いくつかのものについて近時活発な研究が行なわれているが,トルエンとホルムアルデヒドの反応についての詳細な発表はない。著者らはまずトルエンとホルムアルデヒドの反応の可能性について検討を加え生成樹脂の諸性質と,その一般的組成を知ることを目的として,過塩素酸を触媒とし,触媒量,モル比,反応時間,反応系中の水分量等の影響をしらべ生成樹脂の諸性質との関連性を求めた。この結果トルエンは過塩素酸触媒下でホルムアルデヒドと反応し油状ないしアメ状の含酸素樹脂を生成することを認め,これら樹脂状物の平均組成を明らかにし,更にこの樹脂にフェノールノボラックを加えて加熱硬化する際の硬化時間は, 樹脂構成の酸素含有率と直線関係にあることを認めた。
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