合成用ガスの脱硫に関する基礎的な研究の一環として,脱硫に及ぼすO
2の影響をCS
2,C
4H
4Sの除去について研究した。
H
2に少量のO
2とCS
2,C
4H
4Sを混合した試料ガスを,Fe,Ni,Co,Cu,Mn,Cd,Cr,Al,Mg,V,Moの酸化物をケイソウ土に保たせた脱硫剤上に通じ,温度250,400℃,ガス空間速度1200で脱硫を行ない,O
2を含まない場合の結果と比較した。
ガス中に共存するO2は,脱硫剤の固定能に対しては,残イオウ率を増加し,固定容量を減少させ,イオウの漏出点を早めるなど,悪い影響を与え,またMoとVを除く脱硫剤のH
2S転化能に対しては,その活性に直接影響して転化率を極度に低下させた。
しかし,これらの影響はO
2を消費する反応が併起された場合にはかなり緩和された。例外的なMoとVは,C
4H
4Sに対し,Moは転化率を上昇し,またVは接触酸化によってその90%以上をSO
2へ分解した。
抄録全体を表示