工業化学雑誌
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1,1′-置換フェロセン類の合成とその重付加,重縮合反応
大河 原信武本 宣教北岡 宏春木 英一井本 英二
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1962 年 65 巻 5 号 p. 685-688

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抄録

フェロセンを原料としてその1,1'位にCOOH(IV),CH2OH(VI),COCl(VII),CH(OH)CH3,CON3,NCOなどの基をもつ対称形の2官能性フェロセンを合成した。これらを種々のジアミン,ジオール,ジイソシアネート類と反応させて,重付加あるいは重縮合形ポリマーの合成を試みた。(IV)とジアミンの反応は常法では炭化したが,(VII)とジアミンを界面重縮合させると黄色粉末のポリマーを与えた。(VII)とヘキサメチレンジアミンの場合,また(VI)からえられるものは,一般に有機溶剤に不溶でかなり高重合度のものであるが,その他はギ酸やジメチルホルムアミドに溶け,重合度も低く,環化した疑いもある。これらポリマーはCe4+,硝酸などで酸化されるが,アスコルビン酸,Ti3+などで再び還元される酸化還元樹脂である。

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