工業化学雑誌
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アセトアルデヒドのステレオブロック重合
藤井 弘保三枝 武夫古川 淳二
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1962 年 65 巻 5 号 p. 695-698

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抄録

アセトアルデヒドの重合においてアルミニウムアルコオキシドの部分加水分解物を触媒に用いるとイソタクチックブロック(結晶性)とアタクチックブロック(非晶性)とからなるステレオブロックポリマーが得られることを見出した。このポリマーは非晶性ポリマーよりは弾性が少なく,またその溶解性はイソタクチックおよびアタクチックポリマーの中間的性質を示す。一方,アルコキシドの部分加水分解物は,アルコキシドと,ヒドロキシド(またはオキシド)との中間体と考えられ,この特質がステレオブロック重合の2元的性質に影響をおよぼしていると考えられる。すなわちアルミニウムアルコラートでは結晶性(イソタクチック)ポリアセトアルデヒドが,アルミナでは非晶性(アタクチック)ポリマーが得られることが知られている。さらにアセトアルデヒドが触媒上で吸着することがこれら三つのアルミニウム触媒の共通の特徴であることを見出した。この吸着は赤外吸収スペクトルを用いて確認した。すなわちアセトアルデヒドをこれらの触媒に吸着させると常にカルボニル基の吸収のシフトが起った。
また同様なステレオブロックポリマーが立体規則性重合触媒(ジエチル亜鉛)と不規則性重合触媒(アルミナ)との組合せと考えられるアルミナ-ジエチル亜鉛系触媒によっても得られた。

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