工業化学雑誌
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二つの親水性基を有する陽イオン界面活性剤
楢崎 英男
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1962 年 65 巻 5 号 p. 799-800

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抄録

二臭化エタン,二臭化ブタンにN-アルキルピペリジンを反応せしめたもの(I),二臭化エタンにジメチルドデシルアミンを反応せしめたもの(II),ニコチンに臭化ドデシルを反応せしめたもの(III),すなわち同一分子内の中央部に2個の親水性基を有する陽イオン活性剤をそれぞれ合成した。
IIIのc.m.c.と表面張力(c.m.c.以上の一定値)はもっとも低かった。浸透力ではII,IIIは室温で,Iの溶解度の低い長鎖化合物も高温ではフェルトに対してよい性質を示した。Iの長鎖化合物と通常の陽イオン活性剤の混合溶液は室温でフェルト,木綿ともによい性質を示した。可溶化力についてII,IIIをN-ドデシルピリジニウムブロミドと比較するとII,IIIはそれぞれベンゼン,2-エチルヘキサノールに悪く,このことはこれらの油の可溶化力は親水性基の性質によることがわかる。n-ヘプタンに対しては3者の間に差異はなかった。

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