1962 年 65 巻 5 号 p. 816-818
フェニル核にI(OAc)2基をもつポリスチレン(PJA)の反応性を調べるために,その低分子モデル物質としてC6H5I(OAc)2,p-(CH3)2CHC6H4I(OAc)2,p-(AcO)2IC6H4(CH2)3C6H4I(OAc)2-pを合成した。これら4種のヨードソアセテート(JA)は氷酢酸中で1,2-ジオールを酸化開裂する。R2C(OH)C(OH)R2形の4種のジオールを用い,50~60℃におけるJAの減少速度を追跡し,2次反応速度定数,活性化エネルギーE,頻度係数Aを求めた。モデル物質では完全な2次反応を示すが,PJAでは反応の進行とともに2次からはずれる。同一のJAに対して4種のジオール間のE,A値の拡がりは大きいが,同一のジオールに対しては一般にPJAがモデル物質より5~8kcal/mol小さいE値を示す。またE~logA間には直線関係が成立する。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。