工業化学雑誌
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リソールレッドナトりウム塩の結晶転移
番匠 吉衞斎藤 イホ
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1964 年 67 巻 1 号 p. 190-193

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抄録

第5報において著者らはリソールレッド合成の際のカップリング浴のpH,浴の加熱温度が生成する顔料ナトリウム塩の色調,結晶の形,大きさに大きな影響を持つことを報告した。本報では著者らはリソールレッドナトリウム塩の化学構造,同質多晶型などを研究した。
前報の結果より得られた特徴的な合成条件により性質の異なる8種類の顔料ナトリウム塩が合成され,それらの化学構造,粒度,結晶型などが元素分析,熱天秤,赤外吸収,X線回折,光学顕微鏡,電子顕微鏡等の化学的,物理化学的方法で検討された。
得られた結果は次のとおりである。
1)合成条件の相違に関係なく,得られたナトリウム塩はいずれも同一の構造(C20H15O5N2SNa)を持ち,分子内に1分子の結晶水を持つ。
2)これらの顔料はほぼ同一の赤外吸収を持ち,化学構造の相違は認められなかった。
3)X線回折により顔料ナトリウム塩の5種類の同質多晶型が見出された。
4)カップリングpH,浴の加熱温度とナトリウム塩の粒度との関係が明らかになった。

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