工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
t-ブチル基を有するp-ジスアゾベンゼン誘導体に関する研究
永井 芳男松尾 昌年
著者情報
ジャーナル フリー

1964 年 67 巻 1 号 p. 88-93

詳細
抄録

ポリプロピレン繊維用染料を目的として,t-ブチル基を有する新しいp-ジスアゾベンゼン誘導体を合成した。ポリプロピレン繊維の染色を,非イオン活性剤を含む水分散浴で行ない,淡および濃色の黄~橙色を得た。ポリプロピレン繊維に対する染色性は,t-ブチル基が同数の場合,p-系列>m-系列で,t-ブチル基の数が増すと,両系列とも染色性が増大した。
染色繊維について,耐光,洗タク,およびドライ・クリーニング堅ロウ度試験を行なった。耐光堅ロウ度は,t-ブチル基が同数の場合,m-系列>p-系列で,t-ブチル基の数が増すと,両系列とも堅ロウ度が増大した。m-モノ-体は最高値(8級)を示した。洗タク堅ロウ度は,t-ブチル基が同数の場合,p-系列>m-系列で,t-ブチル基の数が増すと,により両系列とも堅ロウ度が高くなった(最高5級)。ドライ・クリーニング試験は一般に悪く(最高3級),t-ブチル基の導入低下した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top